この30年の「パソコンスキル」に対する考え方
- 田中洋美
- 4月12日
- 読了時間: 8分
こんにちは、パソコンスクール ポップ・スタイルの代表 田中です。
今回のブログは、世代を問わずさまざまな方に伝わりやすく再就職や転職におけるWord・Excelの重要性について書きたいと思います。
今までも似たような文章をブログに書いてきましたが、今回はなぜ現在、こんなにもWord・Excelのスキルが求められるようになったのか?その時代背景には何があったのか?などを含めつつ時代の変遷をたどりながら書きたいと思います。
「変遷」なんてなかなか日常では使わない言葉ですね😅
1990年代から2020年代まで、どのようにパソコンスキルの一般的な受け止め方?認識?が変わっていたのかも知る機会になれば嬉しく思います。

パソコンが「特別なもの」だった時代から、「使えて当たり前」の時代へ
〜WordやExcelが再就職・転職に欠かせない理由〜
「昔は手書きで何でもやってたのにね。いまじゃ全部パソコンでしょ?」そんな声をよく耳にします。
無料体験に来られる、人生の先輩方(ときどき後輩)の皆さんがよく口にされています。
本当にそうですね。かつては紙と鉛筆、電卓やワープロで十分だった時代がありました。でも今や、Word(ワード)やExcel(エクセル)を使えないと再就職が難しい時代になっています。
「でも私、パソコン苦手だし…」と不安に思われる方も多いかもしれません。でも、焦らなくても大丈夫。
まずは、どうしてWordやExcelがここまで必要とされるようになったのか、時代の流れを一緒に振り返ってみましょう。
◆1990年代:パソコンは「一部の人だけの特別な道具」
1990年代初頭、日本ではまだパソコンは事務職や技術職の一部の人だけが使う高級機械でした。職場では「ワープロ専用機」を使って文書を作成していた人も多かったと思います。
例えば、NECの「文豪」や富士通の「OASYS(オアシス)」という名前に覚えがある方もいるかもしれません。まるで「事務のプロ専用のタイプライター」のような存在でした。
一般の家庭ではまだまだ手書きの書類や、紙の家計簿が主流。パソコンといえば「高価で難しい、オタクっぽい道具」と思われていた時代です。
このオタクっぽいというのがまさしく当て嵌まるのが私の兄でした。中学生からパソコンの本を買いあさり、新聞配達をしてお金を貯めて、私が16歳くらいだから兄は18歳?既に兄は社会人でしたが、当時中古でも50~60万のパソコンを購入していました。そして何をしていたかというと、本に載っているプログラムを打ち込んでのゲーム作成!私は商業高校出身なのでタイピングが兄よりも早く、よく代わりに入力させられていました(笑)
今となってはいい思い出です。確かシューティングゲームを作った記憶。これが1980年代半ばの話なので本当に我が家のパソコンの歴史はまあまあ他に類を見ないものだな~と思います。
◆2000年代前半:パソコンが家庭にやってきた!
Windows 98やWindows XPといったOSが登場し、パソコンはぐっと身近になりました。学校で「パソコンの授業」が始まり、「これからはパソコンが使えないといけないらしい」と言われ始めたのもこの頃です。
企業でもパソコンが1人1台支給されるようになり、文書作成にはWord、表計算やデータ管理にはExcelという使い分けが徐々に定着していきました。
昔でいえば、手帳とそろばん、それに辞書が1台のパソコンに入っているようなもの。Wordは「清書ができるタイプライター」、Excelは「自動で計算できるそろばん帳」といったイメージです。
この時期から、「パソコンが使える人=できる人」と評価される傾向も強まっていきます。
自分語りで恐縮ですが、私が勤めていた企業は比較的パソコン導入は早かったと思います。記憶を辿ると1991年ごろデザインができるパソコンとしてNECのPC-9801があり、会社で購入しメインで私が使っていました。
その後はMacintosh(マッキントッシュ この言い方も古いw)を使ってのデザイン業務を1994年?頃から行っており、私は基本windowsを使っての社員管理をしつつ2000年からMacintoshでのIllustratorやPhotoshopでのデザイン作成に従事しました。なぜ2000年からなのかというと、それまで私は手書きPOPを中心としたデザインをしていたのでパソコンに触る機会がなかったんですよね。
◆2000年代後半:再就職・転職にも「パソコンスキル」が必須に
さあ!そしてリーマンショック以降、雇用環境が厳しくなったことをきっかけに、「即戦力」「業務効率」が強く求められるようになりました。
パートでも、派遣でも、社員でも、求人票に「Word・Excelができる方歓迎」と書かれるのが当たり前に。
実際には、「どのくらいできればOKか」は会社によって異なるのですが、「とりあえず入力や簡単な編集くらいはできる」というレベルが最低ラインとして求められるようになります。
「WordやExcelなんて触ったことない」となると、どんなに真面目で仕事が丁寧でも、最初から選考の対象外になってしまうことも…。
つまりこの頃から、パソコンスキルは“あると良い”ではなく“無いと不利”なものになっていったのです。
でもそれも割と都心の話で、当スクールのある熊本ではまだそこまで「パソコンのスキルがないとまずい!」という感じではなかったと思います。本格的にスキルが求められるようになるのは2010年代からが顕著だった気がします。
◆2010年代:スマホの普及で「パソコン離れ」が進む中…
意外に思われるかもしれませんが、若い世代ほど「パソコンが苦手」な人が増えています。スマホやタブレットで何でもできるようになった分、キーボードを打ったり、Excelで関数を使ったりする機会が少ないからです。
だからこそ、WordやExcelの基本がしっかりできる中高年の方が“即戦力”として重宝される場面も増えてきました。
例えば、60代の生徒さんが「Excelで売上の表を自動で計算できるようになった」と職場で褒められた、というお話もあります。
便利な時代だからこそ、「基礎が分かっている人」が頼られるのです。
2010年代、猫も杓子も職業訓練校!!という時期がありました。当時は「基金訓練」という名称の方が有名だったかと。教室長である田中もインストラクターになってからちょうど2年目くらいで、多いときは同時に5校の基金訓練に講師として教鞭と取っていました。とてつもなく忙しかったな・・・という思い出。
その時の生徒さんたちは18歳~60歳くらいの幅の広いものでしたが、年齢問わずパソコンのスキルが必要だと気付けた人たちが有利に動いた時代でもあります。
先述の「若い人ほどパソコンが苦手」というのはこの「気付き」を得るタイミングが少ないからだと思います。
何故なら社会人経験がないから!これに尽きます。
中高年は18歳や22歳で社会に出て、パソコンのスキルがないとまずい、と感じる場面を多数経験してそこから気付きを得られる。でも結局は社会に出ないと気付けない。だから「若い人=社会に出てすぐの人」と受け取ってもらえると良いのではないでしょうか。社会に出て、いろいろ気付いてパソコンの勉強を率先してやるかやらないか。明暗を分けるのはここから!
◆2020年代:コロナ禍とデジタル化で“できて当然”の時代へ
2020年以降は、テレワークやオンライン会議など、働く環境そのものが大きく変わりました。
「紙の書類をPDFにして送る」「会議の議事録をWordで共有する」「日報や売上をExcelでまとめる」といった作業は、どんな職種でも当たり前のように行われるようになりました。
つまり、WordやExcelは“特別なスキル”ではなく、“筆記具と同じくらい必要な道具”になったのです。
たとえるなら、かつての「自転車に乗れる人はちょっと便利」から、「今は運転免許がないと困る」くらいの存在感になっています。
◆では、どの程度のスキルがあれば再就職で役立つの?
実は、いきなり難しいことができなくても大丈夫です。
たとえば…
Word:文字を入力して、見出しを大きくしたり、表を入れたりできる
Excel:数字を打ち込み、合計や平均を出せる。簡単なグラフが作れる
これくらいのことができるだけでも、履歴書に「パソコン基本操作できます」と書く自信がつきます。
少しずつ慣れていけば、自然とできることは増えていきますし、シニア向けのパソコン講座も全国にたくさんあります。
◆おわりに:年齢は関係ない。学ぶ姿勢が未来を開く
「もう年だから」「今さら覚えられない」と思ってしまう方もいるかもしれません。でも、私の教室に通う60代・70代の方も、楽しみながら少しずつステップアップされています。
かつては「手書きで封筒の宛名を書くのが当たり前」だった時代が、今は「パソコンで印刷して、ミスも一瞬で直せる」時代に。
それと同じように、時代が変われば「当たり前」も変わります。そして、年齢に関係なく、その「当たり前」に追いつくことはできるんです。
これから再就職や転職を目指す方へ、「パソコンができる」ことは、あなたの大きな武器になります。
一歩ずつ、ゆっくりで構いません。未来の自分のために、WordやExcelに触れてみましょう。
「パソコンスキルを身につけて、人生の可能性を広げたい」
そう思っているあなたに、当スクールはお役に立てるかもしれません。
パソコンスクール ポップ・スタイルで、あなたのパソコンライフを、さらに豊かなものにしてください!ぜひ、当スクールにお越しいただき、ぜひ一緒に学びましょう。
無料体験も随時実施中です。
長くなりましたが今回のブログは以上です🤗
お読みいただきありがとうございました。
パソコンスクール ポップ・スタイル
教室長:田中
Comments